今日から１年先の２０周年演奏会に向けて、私の思いを少し述べたいと思います。
　最近の倉男の演奏の方向性として、言葉の響きを損なわずメロディーにのせて表現することを大切にしてきています。そして、柔らかい人の声の響きをとばすことを中心に発声にも取り組んでいます。今の倉男の良さは、それぞれに積み重ねた年輪に応じて、歌詞を自分自身で咀嚼しながら表現できることでしょう。
　おとといの金曜日の練習と今日のフェスでの演奏をしてみて、表現したいその方向性はおそらく一人一人皆さんがよく理解されていると思います。ただ、その表現のために何がさらに加われば効果的に演奏できるか、自分自身について具体的な課題は個々に意識できているでしょうか。たとえば、練習効率をさらにあげるためにできることは？たとえば、隣の人と声をうまく交じり合わせる為、それがパート単位についても、合唱団全体についても同じように、「美しいまとまり」を得るために、どんな練習を工夫すればよいか？１年後の演奏に向けて今から各自が具体的に取り組まねば、もう「ゆるびの舎」のステージはすぐそこに見えているのです。
　また、楽譜上の作曲家の指示はどんな効果をねらって書かれているか、一人一人がもう少し主体的に考えてみませんか。そしてそれを効果的に演奏するためにどんな発声につなげていけばよいのか、どんなダイナミックスレンジで表現すればよいかなど、考えればきりがありません。
　我々が１年後演奏しようとする曲を本日、メンネルコール”Ｉ”さんの生演奏のかたちで聴く機会に恵まれました。”Ｉ”さんの演奏の模倣をしようというのではありません。１年後、倉男の一番いい音を会場においでの皆さんに聴いていただけるように、学ぶべきものをできたら今日、感想と共に楽譜にメモしておいたらいいなと思っています。そのメモはこれからの練習でお互いに話題にしませんか？そうしながら、皆さんの心の中にある「一人一人の思い出のローセキ」を遠藤先生の曲にのせて表現したいと思います。